血管外科
当院血管外科が扱う主な病気は下記の通りです。
下肢静脈瘤(だるい・つる・色素沈着・うっ滞性皮膚炎)
下肢静脈瘤とは
足(下肢)の表在静脈の弁が壊れて(静脈弁不全になって)、下肢静脈瘤ができます。女性や立ち仕事の方(調理師さんなど)は起きやすく、長い間かけて起きてくる病気です。急激に症状は悪化しませんが、放置すると皮膚の炎症(湿疹・色素沈着)や潰瘍をおこします。ほっておいてもけっして良くなりません。
下肢静脈瘤のおもな3症状
- だるい・むくみ。つる(こむらがえり)-特に、夕方になると、足の症状が強くなる)。足の静脈がぼこぼこしている(下肢静脈瘤)。
- かゆみや色素沈着-足の静脈がぼこぼこして、かゆみや色素沈着がある。
- きず(潰瘍)+静脈瘤-足の静脈がぼこぼこして、きず(潰瘍)がなかなか治らない。これを繰り返す。
上記の3つのどれかに当てはまる方、下肢静脈瘤でお悩みの方は、血管外科外来へ受診してください。
下肢静脈瘤の診断(検査)
主にカラードップラー超音波検査やMRI、CT検査を行います。
下肢静脈瘤の治療
検査(おもに超音波検査)・診察を行って治療法を決めさせていただきます。
- 1.血管内レーザー焼灼術(保険診療)
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- 当院では保険適用となっている「ELVeS 1470」という最新のレーザー機器(波長1470nmレーザー)を用いて保険診療で行っています。また、新しい「Radial 2 ringファイバー」を使用しており、ファイバーの側面からレーザーを照射することで、より均一に血管に照射できるようになり術後の内出血・痛みが激変しました。
- 静脈麻酔とTLA麻酔(特殊な局所麻酔)を組み合わせて行いますので、寝ているうちに治療が終わります。また、術後歩いて部屋に戻ることが出来ます。
- 現在、1泊2日ないし日帰り手術(外来手術)で行っています。手術翌日からはシャワー浴、翌々日からは入浴することができます。
- 2.瘤切除
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必要に応じて、1)、2)と同時に行います。
- 3.ストリッピング手術(静脈抜去術)(保険診療)
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静脈麻酔とTLA麻酔(特殊な局所麻酔)を組み合わせて行います。術後、歩いて部屋に戻ります。現在1泊2日です。手術翌日からはシャワー浴、翌々日からは入浴することができます。
- 4.硬化療法(保険診療)
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外来でおこないます。
- 5.弾性ストッキングによる保存的治療
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- 日中に着用することで症状(足の重さ・だるさなど)は軽くなります。
- 悪化・再発予防や術後にも着用します。
- 静脈瘤自体は良くなりません。
閉塞性動脈硬化症(歩くと5分程度でふくらはぎが重くなる)
- 歩くと5-10分程度でふくらはぎが重くなり歩きにくくなります。が、数分-5分程度休憩するとまた、同じ距離を歩くことができるのが典型的です(間歇性跛行)。
- 場合によっては、おしりの筋肉(腰の筋肉)が同じように重くなったりすることがあります。これらは、動脈が狭くなったり・つまったりすることでこの症状が起こります。
- 喫煙されている方は、禁煙することが大事です。
検査
受診後、足の血圧を測定します。CT検査(3DCT)を行い、病気の場所(部位)を確認します。
治療
- 保存的治療(内服)
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カテーテルによる治療
鼠径部に局所麻酔を行い、カテーテルを挿入し、その先端にあるバルーン(風船)で狭いところを広げます。また、ステントといわれる金属でこれを広げて固定してきます。短期の入院で治療を行っております。 -
手術
人工血管や自分の血管(静脈)を使用してバイパス術を行います。
腹部大動脈瘤(医療機関で指摘される・無症状)
- 瘤切除・人工血管置換術(開腹手術、後腹膜アプローチ)
- ステントグラフト
末梢動脈瘤
バージャー病
- 難病指定医が常勤しております。
- 喫煙されている方がほとんどです。禁煙が最も大切です。
- 50歳未満男性、喫煙歴、四肢や指趾(手足のゆび)の虚血・潰瘍など
人工透析シャント(内シャント造設、シャントPTA(シャント狭窄拡張術))
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内シャント造設
自分の動脈と静脈をつなぎます。 -
シャントPTA
シャント血管の狭くなった(狭窄した)所に対してカテーテルを用いて拡張することを行います。
深部静脈血栓症(足がはれる)
レイノー症状(冷感など)
とくに秋口から冬にかけて症状が増悪し、暖かくなる春頃症状が軽快します。症状に応じて内服薬を出します。