診療科のご案内

整形外科

当科では、骨、関節、靱帯、脊椎、脊髄、末梢神経などの運動器疾患とスポーツによる傷害を取り扱っています。特に、外反母趾、脊椎脊髄疾患、股関節や膝関節の人工関節手術、膝関節鏡手術やスポーツ障害などの治療に対して、専門的な見地から診療にあたっています。
外反母趾とは、つま先が細い尖鋭な靴を履くことなどにより、足の親指の付け根から先が圧迫されて変形する症状をいいます。当科では、外科手術など治療による矯正だけでなく、外反母趾になりにくい予防方法の指導も行っています。
脊椎脊髄疾患の治療で最も重要なことは、手術適応、すなわち最終的手段である手術によって、患者様目線でみて満足のいく治療効果が得られるか否かを判断することです。レントゲン写真やMRI画像の異常所見が本当に患者様の苦痛や障害の原因であるのか、不安感やストレスなどの心因性要因は関与していないのか、検査所見は当然のこと、悩んで来院された患者様自身を、生活環境を含め詳しく診察して評価することが最も重要であると考えています。顕微鏡を用いた低侵襲手術にも積極的に取り組んでいます。
また、当院には理学療法士、作業療法士などのリハビリテーションスタッフが在籍しており、術前・術後のリハビリテーションのみならず、健康増進目的の充実したリハビリテーションにも対応しています。患者様の病態に応じたきめ細やかな内容でご提供していますので、ぜひご利用ください。

対象疾患

  • 外反母趾
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 腰椎すべり症
  • 腰椎分離症
  • 腰部椎間板ヘルニア
  • スポーツ障害
  • 人工関節手術 等

骨折リエゾンサービス(通称FLS:Fracture Liaison Service)について

骨折リエゾンサービスとは

1990年代後半に欧州で開始された多職種連携のシステムです。脆弱性骨折患者に対する骨粗鬆症治療開始率および治療継続率を上げるとともに、リハビリテーションの視点から転倒予防の実践により二次骨折を防ぎ、骨折の連鎖を絶つことを使命としています。全国的にも多職種連携の骨折予防チームは注目されており、当院FLSは栃木県県北地域初のチームとして2022年4月1日より運用を開始いたしました。

二次性骨折予防継続管理料

2022年度診療報酬改訂において、大腿骨近位部骨折の患者に対して、関係学会のガイドラインに沿って継続的に骨粗鬆症の評価を行い、必要な治療等を実施した場合の評価として新設されました。
具体的には「骨折リエゾンサービス(FLS)クリニカルスタンダード」及び「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」に沿った適切な評価及び治療等が実施された場合に算定可能とされています。当院ではFLSクリニカルスタンダートに準拠したプロトコルを作成しており、それに則った評価・治療を行っております。また、院内職員を対象とした「骨粗鬆症に対する知識の共有とFLSの意義について」の研修会を年に1回以上実施しております。

入院時スクリーニングに関して

当院では地域全体の骨折を予防する目的で、すべての入院患者様に対して入院時スクリーニング(ふるい分け)を行っております。以下に該当する場合は骨折のリスクが高いと判断し、FLSチームが介入し骨密度検査を行います。

  • 骨折の既往あり
  • 転倒リスクあり
  • 低栄養リスクあり

骨密度検査によって骨粗鬆症の診断となった場合、患者様の病状を考慮し、入院中もしくは退院後の初回外来にて治療の提案をさせていただきます。

国際骨粗鬆症財団(IOF:International Osteoporosis Foundation)より金賞(Gold)認定

当院では、骨折リエゾンサービス(通称FLS:Fracture Liaison Service)という取り組みを行っております。このサービスは、骨粗鬆症と診断された患者様、大腿骨近位部骨折や椎体骨折をされた患者様、その他の脆弱性骨折をされた患者様に対して、骨折を予防しいつまでも元気で健やかな生活を送っていただくために、治療の継続をフォローさせていただく多職種連携のシステムです。当院では医師だけでなく、看護師、薬剤師、放射線技師、管理栄養士、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカーなどが所属し、さまざまな分野から骨折を予防するチームを結成し2022年4月1日より運用を開始しております。
この取り組みが国際骨粗鬆症財団(IOF : International Osteoporosis Foundation)が行う「ベストプラクティスフレームワーク、Capture the fracture®」にて、2022年度の介入実績に対して「銅賞」の認定を受けておりました。この度、2023年度の介入実績で再申請をしたところ「金賞」の認定を受けることができました。2024年6月時点で、世界56か国117施設がGold認定を受けており、国内では21施設目、栃木県内では初の受賞となります。

クリックして拡大

FLSクリニカルスタンダートに基づくプロトコルに関して(医療関係の方へ)

骨粗鬆症の治療開始・継続に漏れが生じないよう、当院ではプロトコルを3種類作成しております。

ご参照いただいたご施設の方におかれましては、当院地域医療連携室(0287-44-2722)にご一報をお願いいたします。
地域全体での骨折予防に取り組む施設として、情報共有ができましたら幸いです。

医科歯科連携に関して(医療機関の方へ)

当院FLSチームは地域全体の骨折を減らすという長期的な目標を達成すべく、医科歯科連携の必要性に着目しております。具体的には、歯科治療の際に骨粗鬆症治療薬を休薬もしくは継続すべきか判断するためのスムーズな連携、パノラマX線画像による低骨密度患者の抽出という2点を今後の課題と考えております。とくに後者に関しては、2021年6月に日本口腔外科学会より「パノラマX線画像による骨粗鬆症スクリーニングに関する情報共有のお願い」が告知されております。その中には日本整形外科学会と日本骨粗鬆症学会に向けた要望書も含まれており、歯科医師がパノラマX線画像を評価して骨粗鬆症の可能性がある場合、患者様を積極的に医科に紹介して骨密度検査を検討する旨がガイドラインとして記載されています。この要望書は歯科医の間でも注目されておりますが、必ずしも医科との連携が進んでいるとは言えない状況です。広島県呉市など積極的な医科歯科連携を行っている地域もありますが、まだまだ全国的な活動ではなく、栃木県でも目立った連携の例はありません。
当院では2022年度初旬より躯幹DEXA設置施設と書面のやり取りを重ね、歯科医院から紹介があった際に骨密度検査に御協力いただけるかの可否に関して、受診方法に関して取りまとめて、骨密度検査協力可能施設一覧を作成しました。また骨粗鬆症への介入件数が増加するにつれて、薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)の件数も増加する可能性がございます。早期発見・早期介入のための迅速な連携システムの構築をすべく、こちらも歯科口腔外科を標榜する病院と書面のやり取りを重ね、MRONJ対応可能施設の一覧を作成しました。これら一覧は塩谷郡市歯科医師会で共有し活用していただいております。
また医科歯科の円滑な連携を目指する目的で、医科歯科連携用紙を作成しております。

簡単な項目のみを追記する診療情報提供書となっております。医科から歯科への口腔衛生状態のチェックの依頼、歯科から医科への骨密度検査の依頼や休薬の相談など、是非ご活用いただけますと幸いです。